事務作業自動化の方法とは?RPAを活用した効率化の実例

概要

事務作業の効率化は、多くの企業にとって重要な課題となっています。特に、反復的かつ単純な作業は、従業員の貴重な時間を消費し、生産性の低下につながる要因の一つです。本コラムでは、RPA(Robotic Process Automation)を活用した事務作業自動化の進め方を解説し、具体的な業務例をご紹介します。また、RPA導入の際に押さえておくべきポイントや、実際に効果を上げた事例についても触れながら、事務作業の効率化を実現するためのヒントをお届けします。

事務作業自動化が求められる背景と効果

日々発生する事務作業は、多くの企業にとって業務負荷や生産性低下の一因となっています。 特に、手順が決まっていて繰り返し行われる作業は、従業員の時間を奪い、本来取り組むべき付加価値の高い業務に集中できない要因となりかねません。
こうした背景を受け、定型業務を自動化する取り組みが急速に広がっています。 その代表的な手段が「RPA(Robotic Process Automation)」です。

RPAが効果を発揮する主な業務例
RPAはルールベースで繰り返し発生する事務作業との相性が良く、以下のような業務において高い効果を発揮します。

  • データ入力:大量のデータを複数のシステムやフォーマットに転記・入力する作業
  • データ抽出・整理:Excelや業務システムなど複数のデータソースから情報を抽出し、整理する作業
  • 定期的なレポート作成:日々の営業活動や月次レポートの作成業務
  • 書類の仕分け・送信:書類やメールの整理、送信作業

これらの業務にRPAを導入することで、作業スピードの向上、人的ミスの削減、従業員の負荷軽減が期待できます。その結果、担当者がより付加価値の高い業務に集中できるようになり、業務全体の生産性向上にもつながります。


RPAを活用した業務例

RPAは、様々な部門の事務作業に幅広く活用されています。以下に代表的な業務例をご紹介します。

  • 経理業務
    経理部門では、請求書の確認や支払い処理、振込依頼書の作成、口座の照合作業など、日常的に発生する定型業務が多く存在します。これらの業務をRPAで自動化することで、月末・年度末などの繁忙期にもスムーズな業務遂行が可能になります。
    例:銀行の取引明細と請求書を照合し、振込依頼書を自動で作成

  • 人事業務
    人事部門では、従業員データの管理や給与計算、勤怠管理のデータ取込などが手間となります。これらをRPAで自動化することで、データ入力のミス防止や業務のスピードアップに繋がります。
    例:新入社員のデータを人事システムに入力し、必要な書類を自動で生成

  • カスタマーサービス
    カスタマーサービス部門では、顧客からの問い合わせに対する初期対応や振り分け業務などにRPAを活用できます。これにより、担当者はより複雑な顧客対応に集中できるようになります。
    例:顧客からのメールを受信し、内容を自動で分類・担当部署に転送

  • 調達業務(購買)
    調達や購買部門では、発注処理や請求書の照合、納品確認といった定型業務の自動化が効果的です。処理の標準化によって、業務スピードと正確性が向上します。
    例:発注書をシステムに登録する際、ルールに基づき必要な項目を自動で入力


導入時のポイント

RPAを効果的に導入するためには、事前の準備と判断が極めて重要です。以下のポイントを押さえることで、スムーズな導入と継続的な効果の最大化が期待できます。

  • 業務の適切な選定
    どの業務を自動化するかの判断は、導入成功のカギを握ります。自動化に向いているのは、定型的で繰り返し行われる業務です。特に、手作業でミスが起こりやすい業務や、処理に長時間を要する業務は、自動化の効果が大きく現れます。

  • RPAツールの選定
    RPAツールには多くの種類があります。代表的なものとしては、Blue Prism、UiPath、Automation Anywhereなどが挙げられます。ツールごとに機能、操作性、サポート体制が異なるため、導入前に自社の規模や業務内容に合ったツールを十分に比較・検討することが重要です。

  • ROI(投資対効果)の見積もり
    RPA導入の成果を正しく評価するためには、ROIの見積もりが重要です。導入にかかるコストを明確にしたうえで、業務の効率化によって削減できる時間やコストなどを数値化し、費用対効果を事前にシミュレーションしておくと、社内合意の形成にも役立ちます。

  • 組織全体での理解とサポート
    RPAは単なるツール導入ではなく、業務の進め方を変える取り組みでもあります。そのため、現場の業務担当者や管理部門を含む関係者全員の理解と協力が必要です。導入後のトレーニング実施や、運用ルールの整備を通じて、全社的に活用を促進していく体制づくりが求められます。


事務作業の自動化事例

ここでは、当社がRPAを活用して効率化を実現した経理・管理部門での具体的な取り組み事例をご紹介します。

  • 請求書発行の自動化
    経理管理システムにおいて、未発行の請求書を検索・ダウンロードし、所定フォルダへ保存する作業を自動化しました。手作業の削減に加え、データの取りこぼしやファイル管理のミス防止にも繋がっています。

  • 売上確定処理の自動化
    各部門の請求状況を確認し、請求書が発行された案件に対して会計上の売上計上処理を行う業務を自動化しました。従来は、請求状況の確認と売上確定処理を全て手作業で対応しており、毎月約1,000件の確認作業が発生していました。自動化により、処理の正確性とスピードが向上し、大幅な工数削減を実現しています。

  • 通知・リマインド業務の自動化
    勤怠未入力者へのリマインドや、日次・月次の各種通知を自動化しました。担当者の対応負担を軽減し、抜け漏れの無い社内連絡を実現しています。

また、当社がご支援した企業様のRPA導入事例を、以下のページにてご紹介しています。
業種別の活用例を掲載しており、一部の事例については資料としてもご提供しています。
導入検討の参考として、ぜひご覧ください。
導入事例 - RPA Solution | エンタープライズRPAの導入なら東京システムハウスに


まとめ

RPAを活用した事務作業の自動化は、業務効率を大きく向上させ、従業員の時間をより付加価値の高い業務へ振り向けることが可能です。自動化の適用領域は広く、経理・人事・カスタマーサービスなど、さまざまな分野で効果を発揮します。
導入にあたっては、自動化に適した業務の選定と、自社に合ったRPAツールの選定が重要なポイントです。また、組織全体でのサポート体制を整えることが、導入成功のカギとなります。事例も参考にしながら、RPAによる事務作業の自動化を進めていきましょう。

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